だけど、本気になれる女はいなくて、ただ流依の顔だけがうかんでいた。 「……っ…こいつ…」 風呂からあがると、髪は濡れたまま、しまいにはソファーで小さくうずくまって寝ている流依が目に入った 「おいっ、流依、起きろよ」 「……ん…壱也…さん…」 うっすらと目を開けて俺を見る。 「バカかお前!風邪ひくだろーが。髪、乾かしてやるから、起きろよ」 それから流依の身体を起こし、ドライヤーで肩まであるさらさらの髪を乾かした。