「ど、どこに連れてくんですか?てか、あなた誰ですか?」 今まで無言だったその人は、私を見ると、は?といった感じで見てきた。 「お前…まさか俺のこと忘れたなんて言わねぇだろうな…?」 「へ!?」 なんだろう…この危険な雰囲気… そう…今の私は男の人との距離が半端なく近い。 もう少しで、鼻と鼻がぶつかってしまいそうだった。 「ま、いずれ思い出す。 俺は秋山壱也。 一応、お前のフィアンセなんだけど?流依。」