「お名前、なんて言うのかしら?」 「あ、坂崎です…坂崎流依です。」 「じゃあ、流依ちゃん、この曲、知ってる?」 差し出された紙には、私の大好きな曲がのっていた。 「この曲…」 「知らなかった?」 「いえ、大好きなんです…この曲…」 「そう。良かったわ。ピアノは私が弾くから、リラックスして歌ってね?」 女の人はにっこり微笑むと、ピアノの前の椅子に座った。