スイーツな恋

「ねえ、翔馬のお母さんが言っていた、『この前の女』って、何?前の彼女?」

「まあな」

「別れたの?」

「何、気になるの?」

「いや、別に」


「また、お母さんが戻ってくるといけないし…わたし、帰るね」

「ああ、送っていこうか」

「いい。ひとりで帰れるわ。翔馬はお母さんについててあげて」

わたしは洋服をきると、翔馬の家をあとにした。

翔馬の家庭もすさんでいるんだ。だから、あんなふうに悪ぶるようになったのかな。

家にたどり着くと、電気は落ちて真っ暗だ。

わたしが夜中に家をとび出したことさえ、気づいていないんだ。

そう思うと泣けてきた。

はやく自立して、こんな家、ぜったい、出て行ってやる!!

わたしは誓った