「女子プロレスってこんなに人気があるんだ。
こんなところで立ってても仕方ないから、私達も列ぼうよ。」



杏は、ゆずきの腕を無理矢理引っ張って入り口まで歩いて行った。



なかなか列の最後尾が見えてこず、



ササキ体育館の周りは、



人、人、人



だらけだった。



まるでお正月の福袋を買いに行ってる気分になった杏とゆずき。



やっとの想いで、



列の最後尾にたどり着いたと思ったら、



最前列のほうから、



「キャッー。」



「頑張って下さい。」



「サインを下さい。」



そんな叫び声が最後尾まで聞こえてきた。