『そのコさあ~おれのツレやねんけど!』


『ハルたん!』


『?!』

とてとてと
姫がおれの後ろに
隠れる。


二人組はそそくさと
消えていった。


それより。






『どした?』

『......。』


涙目で笑う姫。

背が低いから
必然的に上目遣い。


おれは思わず
目をそらして
背をむける。


振り返らずに
姫の腕をひっぱって
車に乗った。






背中で姫の泣き声が
きこえた。