お嬢様が鹿野家にお戻りになられた初日、正しくは2日目だが、お嬢様にはお屋敷にいらした時の記憶が抜けていて、大した問題ではないのであえて気にする必要はないとしておく。

葬式と引っ越しと精力的にこなしたお嬢様はこの日は夕食をお召しになる前にお休みになってしまった。

お目覚めなされた時、きっとお風呂に入りたいだろうとお嬢様がまだお休みになられているだろう時間にお部屋のバスルームのバスタブにお湯をたっぷり入れておこうと思った。

「あら、飯田さんおはよう」

お嬢様のお部屋に入ったら、お嬢様はすでにお目覚めどころかシャワーまで浴びてたようす。

「執事さんって朝早いんですね」

「おはようございます。
お嬢様より朝が遅いとは失態でした。」

驚いた後笑うお嬢様は豪快にタオルで頭をふき

「普段は5時起きなの。
だから夜は11時にねるしね」

夜が早いのは良い事だが、朝の早さにはおもわず苦笑。

「そんなにも朝早くから何をなさってるのですか?」