プリンセスゲーム

橘総帥の息子としての時はきっちりかっちり養父に恥をかかさない為にもちゃんとしてるらしいけど、人タブプライベートに入ればこの間みたいなラフな格好から、破れたデザインのジーンズまでOKらしい。
悩みに悩んで相談だったのに

「まぁ一種の親孝行・・・祖父孝行だと思えば苦にもならないさ」

そう言って一言でまとめてくれた凪君だけど・・・
何回見ても煌びやかに壁一面に並ぶ服の多さには溜息が出てしまう。
ついこの間まで冬服が並んであったと思ったらいつの間にか春服が同じように取り変わっていた。
服を買いに行く手間とか考えれば楽なのかなあ?と思いつつ、手を伸ばした服はどれも今まで買った事のないような高級そうな手触りにいつまでもなれる事が出来ない。

だがそうは言ってはいられず、選んでくれた春らしくパステルカラーの水色のフレアなワンピースに生成りのカーディガンを合わせた。
ちょっと良い家の子女っぽくて案外似合ってるんじゃないと自画自賛。
夏のパーティーに向けて5センチのヒールのベージュの靴にはわりとなれてきた。

「さて、行きますか」

気合を入れて飯田さんと共に、初めての親戚の顔を拝む為にお爺様のところへと赴いた。