プリンセスゲーム

賑やかな気配が聞えてくる。
大きく、重厚なつくりのこのお屋敷でそう思ったの虫の知らせと言うものだろうか?
まだぼんやりとする頭を持ち上げれば、はらりとブランケットが落ちた。
飯田さんが掛けて行ってくれたのだろうかと思いながら、床に落としたブランケットに手を伸ばせば

トントン・・

ノックと同時に

「椛お嬢様。お目覚めでしょうか」

控えめなノックの後に室内に入って私を確認する飯田さん。
私が寝ぼけているのにもかかわらず側で膝ま付き

「昭人様がお戻りになりました。ご挨拶に伺えましょうか」

そう言えばそんな事話してたなと思いながら体を起し

「このままでもかまわないかな?」

寝癖がないだろうか、涎の後はついていないだろうかと聞けば、少しだけ顔を歪め失礼しますとクローゼットへと向い洋服を一式選んできてくれた。

「お召し物に皺が。
お着替えになる時間は十分にございます」

「判った・・・」

言って欠伸を噛み締めながら新しい服へと着替えにクローゼットと言う名の衣裳部屋に行く。