さっきはすごい真面目な先生だと思ってたのに何処か人懐っこいいきなり馴染めそうな気がした。

「緊張します。朝学校に行こうとしたらここの制服を着るようにって言われて連れてこられたんですもの。後少し待てば新学期だって言うのに・・・」

「おじい様はそれだけ鹿野さんの事を心配してるのですよ」

とは言うものの、驚いた顔はたぶん忘れられない。

「鹿野さんが編入するA組はいわゆる進学コースとなっています。あなたの学力なら問題は無いでしょう」

問題は無いといわれても・・・

「この学校のレベルってどれぐらいですか?」

前の学校では上位にいたつもりだったが、こんな特殊な学校でのレベルってどんなだろうと思えば、

「少なくともうちから桜台に編入できる子はまずいないよ。何か事情があってきたのだろうけど、良く来たねとしか言いよううが無い」

「私・・・前の学校では常に一桁キープしてたんです」

「ほう」

「大学はT大目指して法律関係の仕事につきたかったんです!!!」

「随分高い目標だね」

「少なくとも二学期の成績でこのままなら大丈夫ともお墨付きを頂きました」

「・・・残念としか言いようがないね」

「・・・・・・はい」

しょぼんと肩をすくめて落ち込めば、真鍋先生の手が頭の上にポンと乗り

「ここでは他校では経験できない事を学ぶ事が出来ます。そんなに落ち込まないで下さい」

「はい。こう見えても立ち直りは早い方なので大丈夫かと思います」

ははは・・・と空笑いで背筋を伸ばせばクラスのプレートが見えた。