慌てて立ち上がり

「初めまして。鹿野椛です。よろしくお願いします」

再度頭を下げる。

「高等部より社会に順応する為に男性の教師をお招きしてますが、鹿野さんなら問題はありませんね」

「はい?」

言ってる意味が良く判らない。

「この聖ルテオローザ学園は幼等部より女性の教師のみで編成させていただいています。ですが高校になると大学は他行へと受験する生徒もあり、今まで家族以外の男性と話した事もない生徒の為に教師に男性の教師を混ぜて順応していくのです」

担任のわかりやすい説明と言うか、いつの時代だと聞かずには居られない学校の潔癖な体制にあんぐりと口が開いてしまう。

「外部の方にはあまり馴染みがないと思いますが、ご理解くださいね」

呆気にとられたままの私に担任の真鍋先生は

「では、教室に案内しよう。後の事はこちらの方でよろしいですね」

「は、はい。飯田さんお願いします」

校長室を出て教室へと向う事になったが・・・

「緊張する?」

前を歩く真鍋先生が視線を少しだけ振り向いて笑いかけてきた。