才女はただ地を這う

いじけて独りになるにはおあつらえ向きなのだ。
私は階段を1段飛ばしで一気に駆け上がる。

「ふっ」



鋭く息を吐いて呼吸を整える。
3階はやはりがらんとしていた。埃っぽい空気に化学薬品の匂いが溶け、4月の柔らかな陽光をカーテンが遮断している。


暗い。


臭い。


寒い。


化学準備室のビーカーの中でホムンクルスでも造ってなきゃこんな不気味さは出ないよ。


今は昼間だから耐えられるものの、夕方から夜にこんな所絶対歩きたくない。
とっとと詩織を見つけよう。