才女はただ地を這う

「階段、か」


「なに、なんかあったの?」


「あー…ちょっとね」

さすがに言い淀む。


「ま大体察しはつくけど」


靴紐を結び直しながら、名無し@2組の面長君は続ける。


「俺は知らないけどさ、同じ中学の奴曰く相当な問題児だったらしいぜ?」


知ってる。散々聞かされた。


「うーん。……例えばさ。いきなり私が『マシンガン持った変質者に追いかけられて撃たれました』って言ったとして、信じる?」




「………」





しばしの沈黙。返答のかわりにじとっと睨まれる。
さすがに唐突過ぎたか。そりゃ頭おかしいって思うよね。


「……八木が言ったとしたら、か?」


「…え?あ、うん」


予想外の部分をつっこまれ、逆に私が戸惑う。


「お前が真剣な顔で言うなら信じちゃうかもな」