才女はただ地を這う

「あー、こりゃ帰って来ないパターンだね」


優が、半分程空いた弁当箱が広げられている詩織の机を横目で見ながら言う。



「うーん。優、詩織の机片付けといてくれる?」



「……あんたは?」


不安そうに尋ねる優が恐らく予想している答えを、それでも返す。


「連れ戻す」


きっぱりと。


「5限現国だよ?三浦さんぜってえ怒るって」


心底呆れ返った表情で眉間に皺を寄せる親友にくるっと背を向け、閉じられた扉に向かって最高に重々しいアルトで言い放つ。





「委員長ですから」