才女はただ地を這う

「肩を撃たれたって言ったよね」


「うん」


「大丈夫なの?」


「うん。かすっただけ……見る?」


「え?」


私の返答を待たずに、詩織はブレザーを脱いでブラウス姿になった。
躊躇うことなくブラウスのボタンを上から一つ、二つと外していく。


「ちょ、ちょちょちょ!待って!」


慌てて詩織を止める。


「別に人通り少ないし大丈夫だよ。さっきは教室で男子いたから見せらんなかったけど」


表情を変えずにそう言うと、ごそごそっと左腕を袖から抜いた。


「ふぁうっ!」


なぜだか分からないがその仕草がたまらなく扇情的に思え、私は意味の分からない鳴き声をあげながら詩織が脱いだブレザーを彼女の頭に被せる。


「……トンちゃん?」


被せられたブレザーの隙間から詩織の訝しげな視線が覗く。


「ご、ごめん。何かわた私が恥ずかしくなっちょちょ」


思いっ切りどもった上に舌も回らない。詩織を直視出来ない。だめた、これじゃ完全に変態じゃないか。