才女はただ地を這う

そんな二人を上手くなだめるのが詩織、のはずだった。いや、実際これまではそうだったのだ。


『そういや最近変質者出るらしいね。バスケ部の先輩が襲われたって』


『うぇ!?襲われたって……』


『や、ちょっと手掴まれただけだよ。ほら、潮見のトンネルのとこ』


『はあ~、やだなあ。潮見って詩織通るっしょ?』


『うん、家の近く』


『詩織って半司住みだっけ?』


『うん、駅から十分くらい』


優の問いかけにひじきの和え物を口に運びながら答える詩織。
宗条南高校最寄りの宗条駅から厚沢、東半司と続き、その次にあるのが半司駅だ。