才女はただ地を這う

『しょうがないじゃん、うちは親が朝いないし。私は、その、朝弱いし……』


『単に料理出来ないだけっしょ』


『うっさいなあ。優程じゃないよ』


それに、なんかこのコンビニおにぎりの絶妙なジャンクっぽさが堪らないのだ。


『ツナマヨ、めんたいこ。それは?』


『ツナマヨ』


『好きだねえツナマヨ』


『好きなのよツナマヨ』


詩織はそれっきり袋を漁るのをやめた。二段重ねのかわいらしい包みの弁当箱から人参の天ぷらを選び、摘んで私に差し出す。


『あげる』


少し気恥ずかしそうに。


『もらう!』


遠慮無くその托鉢を頂戴する。


『おいひいい』


ただの人参を、しかも冷めたら悲惨なことになりやすい天ぷらという調理方法でここまで見事なおかずに仕上げられるのか。


『優ちゃんも食べる?』


にこにこしながら優にも筑前煮を分けてあげようとする詩織。