才女はただ地を這う

四月も終わりに近付き、我が宗条南高校の名物である正門の桜絨毯もあらかた掃除されていた。空気はまだ少し肌寒いくらいだが、何だかもう春が終わったような気がして寂しい。
校庭では思いっ切り体育をやっていたが、その脇のテニスコートの更に脇にある抜け道のような門からバレずに校外に出ることが出来た。
詩織もここから出たのだろう。はっきりした行くあてがないことは、一度トイレに籠ろうとしたことからもよく分かる。


となると近くに……


いた。


縁石に座り、膝を抱えるようにして小さな身体を更に小さく丸めている。


「詩織!」


さっと駆け寄る。彼女が顔を上げるのとほぼ同時に私はその肩を抱き寄せた。


「……ぇぐっ、トン…ぢゃ……ドンちゃあああああん!!」