才女はただ地を這う

心のままを言い放つ。


「どうせ私が止めろって言っても聞かないでしょ?見つからないように吸ってくれてるうちは、先生に言いつける必要もないし、どうぞごゆるりと」


「うわあドライ。なんかそう言われたら反抗したくなるね」


けらけら笑いながら、携帯灰皿を取り出してタバコの火を押し消す。


「うちのクラスに迷惑かけたら遠慮無くひっぱたかせてもらうけど」


「……いいね。八木橙香、あんた凄くいい。女にしとくのが勿体ない」


散文的な言い回しでけたけた笑いながら私の横を通り過ぎる。柑橘系の香水とメンソールが合わさった、アメリカのガムみたいな匂いに少し顔をしかめた。


「森島雅。7組。ミヤビは雅楽の雅ね。近い内にあんたを頼ることがあるかも知れないからそんときゃよろしく」


そう言い残し、雅は空手になった右手をやはりひらひらさせながら階段を下りて行った。


森島雅、か。いまいち掴み所がないな。頼ることがあるかも知れないって言ってたけど……


他のクラスの不良のトラブルには出来るだけ関わりたくないな。