瞼の人-マブタノヒト-


そのまま職員室に連れられた、ユーリはずっと帰ってこなかった。





ねぇ、ユーリ覚えてる?


私の変わりに真剣に怒ってくれたよね。
すごい悔しかったはずなのに、ユーリが私以上に怒ってくれたから私の怒りはどこかへ行っちゃったんだよ。


「ごめんなさい。」って言えばすぐに帰れたのに、向こうが悪いって最後まで言って先生相手にずっと怒ってたって聞いた。


最後は悔しくて大泣きして先生を困らせてた。




あの頃の思い出のどの場面にもユーリはいるね。


ずっとずっと一緒だったね。


私と違っていつも自分に正直でまっすぐで、自分を曲げたりしない。


この時だって私のために怒ってくれてありがとう。


私のために泣いてくれてありがとう。