瞼の人-マブタノヒト-

の日の夜は…大変だった。


「澪、俺は本当に悲しい!!」

『…。』

「お前は感謝する。って言葉を知ってるか。」

『…。』

「いや、知らないはずだ!!知ってたら態度で表わしてるはずだ!!俺は別にチョコがほしくて言ってるわけじゃないよ?ただ日頃の俺に対する感謝の気持ちの話だ。」

『…。』

「お前と言う女は薄情な奴だ!!」

『…。』

「お前ほど薄情な奴は見たことない!!」

誰からももらえなかったらしい。
いつまでもいつまでもタケの文句は続いた。



『…うーざーいー!!』


私の声と凌治の笑い声が一緒に響いた。