瞼の人-マブタノヒト-

出来うる限りの冷たい目で廊下にいるバカ共を見る。

私の冷たい視線にも気付かないバカが

「いたいた。お前すぐ出て来いよなーどんなけ呼んだと思ってるんだよ。」


…はぁ??


何、コイツ。
誰が呼んでくれって頼んだ??


『…で、用件は??』

「用?用なんてねぇよ。なぁ、タケ。」

「おう。暇だったし呼んだだけ。」


は??


私の氷点下零度な視線にも気付かず楽しそうに話すタケに凌治。


『…本当に迷惑なんですけど。あんたら暇でも私は忙しいの!!』

「まぁ、怒んなよ〜。牛乳を飲め!!牛乳を。」

『ウザイ!!』

ケラケラケラ笑う二人が本当に面倒臭くてしょうがなかった。

それでもあんまりにも楽しそうに笑うから、釣られて私まで笑ってしまって怒れなくなる。