変人男はアタシの腕を木に押しつけ、上から目線で見下げてくる。 そして… 「俺、変人じゃなくて"檜山 隼人(ヒヤマ ハヤト)"だから。」 先程の目つきとは違い、鋭くてなんだか恐い。 しかし、そんな事で怯むアタシでは無い。 「……。てゆか、名前知った所で、もう二度と会わないんだし。ってことで…いい加減、離せ。」 若干、男口調で言い返す。 それにビビったのか、締め付けている相手の手が緩んだと共に、自分の腕をスルリと抜き、当てもなく、ただひたすら走る。 .