屋上。


恋クンの存在に気付かなかったら屋上なんてずっと来ることなかったから、コヤツのおかげで屋上に入れたことだけは感謝する。


「ミューちゃんから誘ってくれるなんて、どうしたの?はっ!まさか告白!?」


胸に手を当て、目を輝かせる恋クンに「それだけは死んでもない」と冷たくあしらう。




「じゃあなにー?」



「遥先輩のことなんだけど…」


「まさか俺に矢打てって!?」


「違うし。てか、まだ何も言ってないんだけど。」


「あ、違うの?」



「遥先輩、ここんとこ学校来てないみたいで…」


「あぁ…本業が忙しいのかもね。」



「どこにいるか知ってる!?」


「いや、知らないけど…」


「なんで!?」


「なんでって…どこ住んでるかなんて知らないし、仕事中の遥は転々と動いてるし、どこにいるかはわかんない。」


「アンタそれでも友達!?」


「いーやー!暴力反対~!」


恋クンの肩を両手でガッチリ掴み前後にガクガクと揺らす。



薄情なヤツめ!



「もお~分かったよー。どこにいるかわかんないけど、呼ぶことはたぶん出来るから呼んであげるよ~。」


「サンキュー!」