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僕の名前は、


蓮海 遥。


もっともこの名前は偽名で、本当の名前はない。



あるんだろうけど、どうでもいい。



どうでもいいし、とうの昔に忘れた。



もう蓮海遥って名前が染み込んでしまった。



「蓮海くん!」



あ、僕のことか。




名前を呼ばれて振り返る。


呼んでいたのはクラスの女子だった。



「なに?」



「今度……よかったら…遊びに行かない!?」



デートの誘いか。




「ごめん。悪いけど…行けない。」



「そ、そっか…」




女の子はえらい落ち込んでいる。




「ごめんね。好きな人がいるから。」


「あ、そうだったんだ…わかった。」



そう言うと女の子は走って行った。




どうやら僕は人間界ではイケメンという部類に入るらしい。


やたらと女子がかまってくる。


正直そんな女子に興味なんてなかった。



ひとりをのぞいては。