「つぐみ、つぐみ」
名前呼ばれてるのにどうしてこうもあたしの心は揺れない。
ああ、偽名だからだ。
と考えるうちにあたしはボスの下に居た。
あたしは焦る。ポリシーに反したことは1度も無い。このおっさんの今日のしつこさは一体なんだ。
「ボス、おやめ下さい」
「いいや、止めないさ。止めれるものなら止めてみろ」
立場的無理だろハゲ。
「お願いですわ、あたしにもプライドがあります」
「俺のプライドより高いってのか」
「そんなことは申しておりません。ボスどうしたんです?いつもとご様子が違いますわ」
よくぞ聞いてくれた、というような子どもの目をあたしにむける。
「俺はもうダメなんだ。世が俺を嫌う。何故こんなことしているかわからない」
「まあ、ボスってホントは優しいお方なのよ」
「だったらますますわからん」
「疲れておいでですのね。疲れを癒すには睡眠が1番ですわ」
「話をそらすな!」
面倒なボスだこと。あたしはそらしちゃあいないさ。
「俺は何も役にたっちゃいねえ。もうやめてえよ」
ならば
「やめれば良いですわ」
あたしのこの一言でボスはあっさり組織を解散させた。
兎美には刺されそうになり、こんなボスにも憧れている若者がいて、その男に罵声、諸々浴びせられる。濡れ絹をきせられた思いだ。
それでも頭の良いものは他の組織に入ったり、または自分の組織をつくり始めた。
あたしらも行き場が無いかと思ったが、女というものはどこの組織も欲しがるらしい。
あんなにボスに一途だった兎美もまんまとイケメンの下っ端に釘つけさ。
まあ、こんなものだ。
あたしは煙管をふかす。
あたしだけ行き場が決まっていない。
