修羅場


 あたしはボスの隣りで煙管をふかす。

 ボスと言ってもちいちゃな組織の頭角のおっさんだ。3流のヤクザなもんさ。

 なんであたしはこんな男の隣りにいるんだ。もっと気位の高いとこにいるべきだろう。

「つぐみ…」

 性欲が強いのかすぐにあたしの腿に触れてくる脂ぎったブクブクの手。

 お前、自分の肉に金かけてねえでうまく金動かせってんだ。

「やだ。ボス、さっきやったじゃありませんか」
「まだだ。まだ足りんのだ。なあつぐみ、お前はいつもそうやって続けさせてくれない」
「1度きりの快感がたまりませんでしょうに。あたしは連続ではやらないポリシーを持っていますの」
「つぐみ、お前は良い女だ。何故俺なんかの隣りにいるか疑問に思うくらいに」

 そんなのあたしが1番疑問に思ってるわ。

 ああ、慣れたもんだが気持ちの悪い男が寄ってくるのはホントに良い気がしない。

「兎美を呼んできましょうか?」
「いいや、お前が良い」

 やだ。
 あたしが嫌なんだよ。

 お前、何人もの女持ってるくせに我が儘するかよ。兎美はお前が好きなんだよ。そのせいであたしはいつも兎美に嫌われてんだ。

 あたしだってここにいる女は好きじゃないが、嫌われんのは良い気がしない。
 というかムカつく。

 好かれたいならあたし以上になんな。

 そんな言葉兎美に言ったが、はて、あたし以上の女ってどんな女だろうか。