店に戻ると、興味津々な顔で奈美が私に寄って来た。

「よくあの人に話かけれたね?
 ユメってば、度胸あるわぁ!
 …で、でっ!どんな感じだった??」


奈美は、結果が知りたくて、早く早くッって感じで、私を見つめる。

いつも思うケド、奈美は少し、せっかちなトコロがある。


『どんな感じだったって……普通?かな。』


「なにそれっ!期待はずれぇ〜っ」


奈美は口をとんがらせて、つまらなさそうな顔をした。


『言っとくケド、あの人に、お客様として
 話かけたんだからね?』

私の念押しに、奈美は「ハイハイッ分かってますよぉ」とだけ言い残して、また事務室に入っていった。


はぁ。年下のワガママ娘は、世話が焼けるョ。

無意識にため息がこぼれた。