「あたし達、もう卒業までこんななのかな。」



あたしはコトンとカウンターにカップを置いた。



キッチンでは海斗がコーヒーのおかわりを注いでいる。



「もう、仕方ないんじゃない?
友達だって、壊れるときは壊れるんだ。
向こうが由宇希を拒絶してるんだからさ。」



下手に触ると、余計こじれるよ。



そう言われてあたしはカウンターに突っ伏した。



「そうかなぁ。」


「宏樹もさ、もういいだろって言う。」


「もういいんだよ。」



お節介になるからやめときな。



海斗は珍しく怖い顔になった。



「…わかった。
諦める。」


「そうするしかないよ。」



よしよし、と海斗はあたしの頭を撫でた。



「どうしようもないことってあるんだよ。」


「うん。」



ちょっと由宇希にはキツイかな、と言いながら、海斗はカウンターを回ってあたしの隣に座った。




甘えてもたれかかってみる。




優しくそのまま受け入れてくれた。