同居ゲーム

「冗談。
あたしも海斗と二人っきりがいい。」



言うと、海斗は安心したように息を吐いた。



「まったく。
何て言おうか返答に困っただろ。
もしかしたら無意識に俺と二人を拒んだのかとも思ったし。」



へなへなと首を落とす海斗。



あたしは慌てて謝った。



「ゴメン、ちょっといじめたかっただけなの。
海斗、ゴメン。」



海斗は無言であたしの頭を撫でた。



顔は伏せたままだ。



もしかして本当に呆れた？



嫌われた？



「ッ…！」



どうしよう。



なんであたし、こんな馬鹿なことしたんだろ。



と、海斗が顔を上げた。



あたしの顔をみて、フッと笑う。



「由宇希、焦りすぎ。」



だって…。



「大丈夫だよ、怒ってない。
ただ、安堵感で…。」



海斗のセリフをぶったぎった。



「ったく…。」



勢いよく抱きついたあたしを受け止めながら、海斗は呟く。



「そんなにあとから後悔するなら悪戯なんかしなきゃいいのに。」



う"ーっ、と言葉にならない呻き声が喉からもれる。　



「よしよし。」



子どもをあやすようにあたしは背中を叩かれた。