同居ゲーム

「そう言ってもらえると嬉しいなぁ。」


「あたしだけじゃなくて、みんな好きだと思うな。」


「そう?」



訝るように眉をひそめる海斗。



「うん。
みんな残さず食べるじゃん。
央なんか必ずおかわりするし。」

「それは由宇希の時もだろ。」



確かに。



「でも、好きじゃないご飯はあんまりおかわりしないでしょ。」


「そうだな。」



だから、気に入ってる証拠だよ。と締める。



「それは凄くありがたいね。」



パアッとした笑顔。



あたしはその笑顔に見惚れた。



この顔、好きだなぁ。



トンッと頭を海斗の肩に乗せる。



海斗も黙って頭を撫でてくれた。



「受験が終わったらさ。」



少しの沈黙のあと海斗が口を開いた。



あたしは首をひねって海斗を見る。



そんなあたしに海斗は優しく微笑んだ。



「どっか遠くまで出かけようか。」


「ホント!?」



うん、と頷かれ、あたしはわあっと声を上げた。



嬉しい!



「みんな、どこがいいって言うかな?」



途端、海斗は困ったような、苛立ったような不思議な顔をした。



あたしはクスクスと笑う。