夜、あたしは海斗の部屋にお邪魔していた。
今日は今までとは違い、ベッドにもたれかかるように座っている。
電気カーペットの良さに惚れた。
「コーヒー持ってきたよ。」
「ありがと。」
キッチンから戻ってきた海斗はあたしの隣に座った。
あたしは海斗からカップを受け取って口をつける。
海斗オススメのメーカーのコーヒーは美味しい。
豆を買って来て、飲む直前に挽くのが海斗流らしい。
「やっぱ美味しい。」
「よかった。」
「海斗、まだこの家に越して来たばっかの時でもこのコーヒー飲んでたよね。」
そうだな、と笑い、海斗は一口コーヒーを飲んだ。
「コーヒーセットはちゃっかり持って来てたなぁ。」
あの時から変わらない匂いや味。
前はそこまで好きじゃなかったコーヒーも今では大好きになった。
「あ〜、今夜も眠れないだろうなぁ。」
「カフェイン効果絶大だな。」
クックッと笑って、また一口。
「まぁ、明日学校休みだし。
朝遅くても許してよ。」
「じゃあ、由宇希が遅かったら俺が朝飯作ってあげる。」
ホント!?と見上げると、優しい笑顔。
「やった。
あたし、海斗のご飯好き。」


