同居ゲーム

「恥ずかしいと思わないから。」



言ったあと、流し目で見られる。



「由宇希はどうして素直に言えないの?」



あたしは黙った。



どうしてだろ。



別に、言うのが嫌なんじゃなくて…。



「ゴメン、俺もちょっと意地悪した。」



寂しそうな顔で謝られたら…。



「謝られたくない。」


「ん。」


「言うのが嫌なんじゃなくてね?
ちょっと、馴れなくて気恥ずかしいだけなんだよ?」


「知ってるよ。」



みんなに見えないように、台の下で手が握られた。



「由宇希が早くさらっと言えるようになるといいね。」



急かしてんじゃないよ、と釘を刺された。



「知ってるよ。」



言葉をそのまま返す。



海斗は嫌味で言ったんじゃないってことぐらい、わかるもん。



「大好き。」



耳元で囁く。



「さらっと言うね。
早くない?」


「駄目?」


「ううん、嬉しい。」