朝方、いつも通りに目が覚めた。
上着をはおって起きながら、央が帰ってきたことを思い出す。
ホッとしたのと同時に、不安にも襲われる。
もう大丈夫かな?
いや、まだ塞いでいるだろう。
昨日ずっと、あんな状態のままだったから。
無表情で、発見された時から握っていたというネックレスをずっと見つめていた。
央がいつもかけていたものだ。
大切なんだろうなと思っていただけだったものが関係しているらしい。
廊下を歩きながら、ちらりと央の部屋を見やる。
物音が聞こえていないからまだ寝ているのか。
そんなことを思いながら、リビングのドアを開けた。
「おはよ。」
中にいた人物に面食らう。
「海斗?」
海斗が料理していた。
ニッコリ笑ってあたしを見ている。
「どうしたの?」
「今日は俺が料理当番しようかと。」
よっ、とフライパンを振りながら、言う。
「見よう見真似でやってみたんだけど。」
と、卵焼きを差す。
「見真似にしては上手い。」
綺麗にひっくり返せていた。
「海斗器用だね。」
「うん、指先は器用なんだ。」
あたしはまじまじと綺麗な指先を観察した。
スラッと伸びた長い指がうらやましい。


