夜。
「お風呂お先~。」
「あ、はーい。」
洗い物をしていたあたしは顔を上げた。
「央~、お風呂。」
「由宇希、先入れば?」
「あ、あたしまだやることあるから。」
「じゃあ、入んね。」
とったとったと歩いていく央を見送り、あたしは皿の泡を落とした。
この広い流し台はこういうときに助かる。
6人分の皿を置くには、普通の大きさでは狭いだろうからなぁ。
カチャカチャと台に並べて水を切り、ソファーに座る。
「終わったぁ。」
ん~っと伸びをする。
ボキボキッと骨がなる。
「ふぁ~。」
「お疲れ。」
「ありがと岩谷さん。」
イヒッと笑う。
それにしても…黒縁メガネが似合うなぁ。
最近、かけ始めたんだよね、岩谷さん。


