「なんか最近二人とも仲悪くない?」
学校が始まって数日たった今日、確信を持ってあたしは言った。
「別に。」
彩華は明らかに機嫌悪くて。
「由宇希、気にしすぎ。」
宏樹も元気がない。
どうかしたの?
「次、移動だよ。」
「だから?」
「早く行こう。」
「わかった。」
宏樹は笑って言ったけど、彩華は動かない。
だからじゃないよ、と少し苛立つ。
宏樹が教材を取りに行っている間に訊いてみた。
「あんたたちなんかあったの?」
「別に。」
「別にじゃない。
喧嘩したなら触れないでおくし、宏が悪いんなら第三者の立場からガツンと…。」
「何でもないってば!」
固まるあたしを見もせず、彩華は立ち上がる。
「あたし先行ってるから。
あんた宏樹とくれば?」
声をかけたらいけない雰囲気で、あたしはそのまま黙って行かせた。
「何、どうした?」
やってきた宏樹に詰め寄る。
「また喧嘩したの!?」
「またってなんだよ。」
さすがにムッとした表情を浮かべ、宏樹は顔を背けた。
「あいつが勝手にスネてんだよ。
俺が彩華に飽きたんだとか言って。」
「飽きたの?」
「今は冷めたかな…。」
小さな声で疲れたように呟く。
宏樹…?


