「へぇ、央もたまには役に立つんだ。」
パクリとご飯を口に運んで言った。
「たまにはってなんだよぉ。」
うつむいて央は箸をかじった。
「まあまあ。」
「って由宇希もなんかフォローしろよ!」
「ヨクヤッタ。」
みんな一斉に声の主、岩谷さんを見た。
「岩谷さん?」
海斗が声をかけると、岩谷さんは「なんだ」と顔を上げた。
「………めっちゃ棒読みじゃん。」
呆れて美喜さんが突っ込む。
「……。」
央はウルウルと岩谷さんを見つめている。
嬉しいのか悲しいのか…。
岩谷さんが口を挟んでくるのは凄く珍しく、あたしとしては嬉しいのかなと思う。
「よかったね、味方してもらえて。」
でも棒読みだけど。
海斗はボソッと小声で付け足し、またご飯を食べ始めた。
「岩谷。」
「なんだ。」
まだ何か、と少々面倒くさそうに岩谷さんは箸を止めた。
「あんた、柔らかくなったね。」
ほとんど聞き取れないような小さな声。
思わずあたし達は美喜さんを見つめた。
何よ、とかすかに赤くなる。
美喜さん…。
岩谷さんを褒めたのが恥ずかしいのかな。
あれは美喜さんなりの仲間宣言だとあたしは踏んだ。
美喜さん、ああ見えて人と線を引いてるっていうか…。
さっきのは、認めたんだね。
あたしはニッコリ笑った。


