魔女と呼ばれた日には。






「本当に、いいのかい?」

彼の言葉が可笑しくて、クスリと笑った。そうしたら彼は困ったような照れたような顔をしながら頬を掻いた。いいも何も、今更だと思う。それ以上に愛しさと胸を締める心地よさから微笑みを彼に向けた。

「――もちろんよ。・・私で良ければ結婚、しましょう?」


目を疑う程、凄まじい景色が目の前に広がっている。昼下がりまではいつもののんびりとした町並みだった、私の愛すべき故郷。
それが・・無惨にも炎に包まれ、どちらともなく悲鳴と怒声、泣き叫ぶ声が聞こえた。





―――ドゴォーン!!


地面を揺らすような爆発音がまたとなく聞こえてきた

振動で足がよろめいた


「うっ…」

もろに倒れてしまって肩に衝撃が走る

疲労もあってか想像以上に堪えた


光を帯びた銀髪に、金色のその瞳は揺れていた。

まさか…


まさかこんなことになるとは


揺らぐ金色の瞳はやがて朱色に変わった

キッと歯をくいしばると、己れの体にムチを打つ気持ちで立ち上がった