「あたし、あなたが少し羨ましいって思った」 美沙子さんが言うその言葉… あたしが? 羨ましい? …よくわかんない。 「どうしてそう思うんですか?」 「あたしにとって、結婚は与えられたもの。決められていることだからそこに『好き』とか『愛』なんてないの」 「決められたもの…」 「あなたが倒れたあの日、あたしと奏斗とお互いの両親も一緒に食事をする予定だった。電話がきて…それで奏斗は食事の席を飛び出していったわ。あなたの所に行くためにね」 うそ… そんな大事な席を…?