「ははっ、先生をからかって面白がるんじゃないよ。ほらほら…授業に集中」 なんとか話を逸らそうとするものの、愛子ちゃんはジッと俺の顔を見たまま動こうとしない。 駄目だって……。 「せんせぇ?」 二人きりの部屋の中は、すっかり甘い雰囲気に包まれていて、喉がゴクリと鳴った。 そのうち、痺れを切らしたのか愛子ちゃんは、クルクルと回していたイスから立ち上がった。 それは一瞬の出来事。 愛子ちゃんの甘い香りが鼻を掠ったと思ったら、すぐに唇に暖かい感触を感じた。 ――――…たった一瞬のキス