「幸ちゃん…、会社休も?」 しばらくして早苗の口から出たその一言に、頭の中の霧が晴れ渡ったような感覚に陥った。 そして、反射的にだるい体を起こすと、早苗の両肩を掴んで叫んでいた。 「早苗…っ!!まさか会社に電話したんじゃ」 そんな事をされたんなら、俺が会社にいないことが分かってしまう。 それだけは避けなければ…!! 俺の異常なまでの焦りように驚いたのか、顔を真っ青にしながら首を横に振る早苗。 ……電話、してないのか。 思わず安堵のため息が出た。