「はぁい」 ドタドタと足音がしたと思ったら、開いたドアの先にいたのは 小太りでおば……お母様。 金持ちってのは本当らしくて、顔に似合わず格好からは気品が溢れている。 少々香水はきついが……。 「まぁ、更乃くん…!!家の子の為に…ありがとうね。……っとあの、そちらの方は…」 マダムは氷雨がお気に入りらしく、乙女のようなキラキラとした視線を向けていたかと思うと 横にいる俺の姿に気付いたのか、こっちを見てきた。