「ほら、行くぞ」 参考書やらなにやらを鞄に詰め込んだ氷雨は、このマンションの最上階に住むという 俺が教える事になる生徒がいる階に向かった。 その間、氷雨はその家庭のことについて一通り説明した。 名前は小崎 愛子(おざき あいこ)。 親がかなりの金持ちで、時給3000円だという事。 それが1回3時間だという事。 住んでいる女の子は、社交的で親しみやすい性格だとか……。 そうこうしているうちに、その部屋の前に着いた氷雨は、ためらいも無くチャイムを押した。