「ただいま―っ」 見慣れた玄関のドアを開けると、 「おかえり~、幸ちゃん早かったねぇ」 エプロン姿の早苗がいつものように立っていた。 「お、おう」 いつもとは変わらないはずなんだが、自然に出来ない。 「あ―っ、幸ちゃんまた氷雨くんの所に行ってたでしょ」 「はっ、あ…うん。なんで?」 「だって、氷雨くんの匂いが染み付いてるもん」