しかし、
何が「深刻な問題」と聞かれても、
今は明確に答えることはできない。
リクは、だからこそ、
自分の進路のある一定の方向に決めることをせず、
しばらくはぶらぶらしていようと思ったのだ。
自分が「浪人する」と言ったとき、
アカデミーの教授はもとより、
両親とも随分揉めることになった。
激しい言い合いになってしまったこともあった。
最終的には、
すったもんだの話し合いの末に、
父親が「1年だけだぞ」としぶしぶ認めてくれる形になった。
その代わり
「何のためにアカデミーに行かせたのかわからない。」
という愚痴を毎日聞かされる羽目になってしまったが。


