「ところでティア、このあと暇ならうちでチェスでもどうだ?」
「ふっ、あいにくおまえのように暇人じゃないんだ。」
ティアが意味ありげな笑い方をする。
「なんだ、また女かよ。せいぜい束縛されてくるんだな。」
「はは、じゃあな。自由の戦士どの。」
ティアとリクは、
アカデミーの正門のところで手を振り合って別れた。
リクはついに、
ティアにとって代わってトップの成績を取ることができなかったが、
特に悔しさはない。
トップを取れたとしたら、
それはそれで嬉しいことかも知れない。
しかし、
リクは自分がもっと深刻な問題にこれから立ち向かうべきであって、
アカデミーを首席で卒業するかどうかは、
大きな問題ではないと思っていた。


