金髪の美少年ティアイネと、


黒髪で眼光鋭いリクは


いつも行動を共にしていて、


アカデミーきっての有名人である。



特にティアは、


その物腰の優美さとルックスで、


女生徒たちの視線を一身に集めていた。



リクもまったく女生徒にもてない訳ではなかったが、


アカデミーの中で浮き名を流すことは全くなかった。


リクは、


ティアのすさまじいモテぶりを見て、


冗談交じりによく言っていた。



「ティアは女子担当だ。」



これにはティアも言い返す。



「じゃあリクの担当は何だ?」


「フリーダム!」



「自由だと?女は束縛だと言いたいのか?」



「あいにく、おれはティアのようにマメ男くんにはなれないんだ。おれは自由を愛するよ。」



「自由ねえ……小人閑居して不善を為すというからな。おまえのような男を自由にしておくと、どんな悪さをするか分かったもんじゃない。一度でいいから、誰かの束縛を受けてみたらどうだ?」



「お断りだね。」



「かわいいピノアちゃんがいるもんな。」



「あれはただの幼なじみだよ。」



「へええ。」