「にしても、リュネの士官学校もたいしたことないのう、釣っても釣っても雑魚ばかりじゃ」



とフズナが嘆息する。



あの3人の士官学校の生徒が暴走したお陰で、王宮の右派たちが警戒を強めることが予想される。



現在水面下で準備中の計画が少しやりにくくなってしまった。



「しかし、今年は黄金の錦鯉が士官学校に入ってくるとの情報があります」



「釣れるとよいのじゃが」



「準備は進めております」



「うむ、ぬかるな」



カノヴァが退出したあと、フズナはもう一つクルミを割った。



パチンと割れた姿がさきほどのクルミよりもうまく行ったので、フズナは満足げであった。