リューベル王物語



「大丈夫だ。」



根拠のない台詞を残し、


リクはあっという間に林を抜け、


まるで若々しいトラのように


王宮の方へ走って行ってしまった。



そんなに無防備に走っていいのかと、


見る者がハラハラするような


姿であっただろう。



ピノアは夕焼けが赤く染める歩道を


小走りに帰って行った。