-プルルルルル・・・


私のケータイが鳴る。


「時間来ちゃったね。」

客を見て そう言い残し、うるさく鳴っている電話に出た。


『あ、優希菜ちゃん10分前です。』

「はーい。」

わずか数秒の電話。














「じゃぁ、私シャワー浴びてくるね。」

シャワールームに入って体の隅々まで念入りに洗う。




ふと鏡を見ると 暗い顔。

客の前では笑っていられるのになぁと鏡の前で笑顔の練習をしてお風呂場を出た。




服を身にまといまだベッドで転がっている客に「じゃぁ行くね。」と最後に触れるだけのキスを残し「おやすみなさい。」と言って部屋を出た。